代表理事ごあいさつ

住民の防災意識や防災行動力の向上は
日々の生活の中に入った防災活動から

一般社団法人ひろしま防災減災支援協会
  代表理事 柳迫 長三


皆さんこんにちは。

私は、平成21年11月防災士の資格を取得しました。これまでは消防士として、広島市消防局に奉職し、42年間務めることができました。その中で、私の人生の起点となった事案は、20年前の1999年発生した「6.29広島豪雨災害」で被災された安佐北区勝木自主防災会の松本会長と2014春に話した内容です。

「来年は被災から15年のけじめの年。今年の訓練は住民の皆様と、もう一度当時を思い起こし、地域をあげて減災に取り組もうと思うので、協力してもらえないか」。私はもちろん、「全力で協力いたします。二度と再び6.29災害と同じような災害は起こさないようにしましょう」とお受けし、翌年6月29日日曜日に無事、訓練は終了しました。

それから2か月たたないうちに、「平成26年8.20豪雨災害」が発生しました。しかも20年前は広島県内の犠牲者は32名であったものが、今回は77名(関連死を含む)です。

自然災害から命を守る防災活動は、声をかけるだけではだめなんだと。私達防災士は、地元自主防災会とともに、住民の皆様と一緒に、日々の生活の中に入った防災活動をしないと、住民の防災意識や防災行動力は向上しないと。再認識しました。ハード対策は、行政にお願することとし、人と人のつながりを重要視したソフト対策を進めて行かなければ、再び災害が襲ってきたら今度は77名以上の犠牲者が出てしまう、危機感を覚えました。

初めに「広島市防災士ネットワーク」を組織し、地域で活動する防災士が連携して活動することにしました。今では100名を超える防災士と防災活動を進めております。今後も広島市の自主防災組織の育成方針に沿った活動を進めて行きたいと思います。皆様のこれまで以上のご理解とご協力をお願いいたします。

また、これまでの活動を進める中で、災害による犠牲者を少なくするためには、自主防災組織などの住民組織だけでなく、事業所や学校など昼間多くの人が集まる場所での防災・減災活動も重要であることから、一般社団法人ひろしま防災減災支援協会を新たに設立し、本格的に事業展開することにしました。

広島市防災士ネットワークには、若者や女性など多くのボランテイア活動に興味のある方がお集まりになっています。それゆえ、できるだけ個人の負担が軽減できるよう、また防災減災活動が狭くならないよう考えた末での法人化です。皆様にご理解・ご支援をいただきながら、災害から命を守る活動を進めてまいります。

なお、広島市防災士ネットワークは会員を募集しております。広島市内在住の防災士だけでなく、広島広域行政圏(海田町・府中町・矢野町・熊野町)にお住いや勤務されておられる防災士も加入できるように規約を改正しております。近隣で活動する防災士が積極的に情報交換しながら、災害が発生すると、個々の防災知識と防災行動力をいかんなく発揮され、犠牲者の減少につながればと思っています。さらに人生の充実感を存分に味わっていただければ幸いです。

これこそがボランティア活動です。そしてボランティア活動を、若者や女性の方にも長く続けていただくために、法人化という道を取らさせていただきました。今後ともご理解・ご支援のほどよろしくお願いいたします。